皆さんこんにちはmasa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
2026年のNAMM Showに合わせて、Neural DSPからQuad Cortex miniが発表されました。
全面タッチパネルの進化型Quad Cortex。
Nano Cortexや元祖Quad Cortexとどう違うのか、独自の視点で深掘りしていきます。
結論から言うと、これはNanoとはちょっと違った「妥協なき小型化」です。
目次
Neural DSP Quad Cortex mini とは?
「Quad Cortex mini」は、その名の通りフラッグシップモデルであるQuad Cortexの機能をそのままに、フットプリント(設置面積)を大幅に削減したモデルです。
Neural DSPのCEOであるDouglas Castro氏が「妥協のない小型化」と語る通り、単なる廉価版や機能制限版ではないところが最大のポイントです。
主なスペックと特徴
- プロセッシング: オリジナルQCと同じクアッドコアSHARC+プロセッサー搭載。音質や処理能力に差はありません。
- スクリーン: ここが驚きですが、7インチのタッチディスプレイを維持しています。小型化しても視認性と操作性を犠牲にしていません。
- フットスイッチ: QCのアイデンティティであるロータリーフットスイッチ(回してパラメータ変更できるスイッチ)も健在。
- サイズ: 22.8 x 11.8 x 6.5 cm
- 重量: 1.5 kg(オリジナルに比べて横幅が約6cmもコンパクトになっています)
- 価格: €1299 / £1129 前後
日本円で24万円-26万円くらいか。
元祖Quad Cortexとあまり価格差がないですね。
Nano Cortex、元祖Quad Cortex との違い
ユーザーが一番気になるのは「で、どれ買えばいいの?」という点でしょう。
3機種の立ち位置を整理しました。
特徴比較表
| 特徴 | Quad Cortex (元祖) | Quad Cortex mini (New!) | Nano Cortex |
| 役割 | 母艦・スタジオ/ライブの要 | 機動力重視のフルスペック | 手軽なキャプチャープレイヤー |
| 画面 | 7インチ タッチ | 7インチ タッチ (同等!) | なし (LEDのみ) |
| 操作性 | 本体で完結 | 本体で完結 | スマホアプリ必須 |
| シグナル | 自由自在 (Spillover等) | 自由自在 | 固定チェーン (制限あり) |
| Capture | 作成・再生可能 | 作成・再生可能 | 作成・再生可能 |
| サイズ | 大 (29cm幅) | 中 (22.8cm幅) | 小 (ペダルサイズ) |
| 重量 | 約1.95kg | 約1.5kg | 約620g |
Nano Cortex との違い
Nano Cortexは「画面なし」「アプリ依存」「シグナルチェーン固定」という割り切った仕様で、あくまで「キャプチャーした音を手軽に持ち運ぶ」ためのデバイスでした。
対してQC miniは「画面あり」「チェーン自由」「本体でフルエディット可能」です。
「Nanoだと細かい追い込みができない…でもオリジナルQCはデカすぎる」という層にドンピシャなのが今回のMiniです。
元祖 Quad Cortex との違い
処理能力や内部処理は同じです。違いは「物理的なサイズ」と「I/O(入出力)」でしょう。
筐体が小さくなった分、背面の端子類は少し整理されている可能性がありますが、それでもUSB-Cオーディオインターフェース機能やMIDI、Neural Capture機能はフル装備です。
ペダルボードに組み込む際、横幅22.8cmというのはスイッチャーの横などに配置しやすく、絶妙なサイズ感です。
Neural DSP 3モデル 入出力端子(I/O)比較
まずは3機種のI/Oを一覧で確認しましょう。
特にMiniの「Send/Return」と「MIDI」の仕様変更は要チェックです。
| 項目 | Quad Cortex (元祖) | Quad Cortex mini (New!) | Nano Cortex |
| Input | 2x Combo (Mic/Inst) | 1x Combo (Mic/Inst) + 1x TS (Inst) | 1x TS (Inst) + 1x Combo (Capture) |
| Send/Return | 2系統 (計4端子: Send 1,2 / Ret 1,2) | 2系統 (計2端子: TRS分岐)* | なし |
| Output (XLR) | 2x XLR (Out 1/2) | 2x XLR (Out 1/2) | なし |
| Output (Phone) | 2x 1/4" TRS (Out 3/4) | 2x 1/4" TS (Out 3/4) | 2x 1/4" TRS (Main Out 1/2) |
| Capture Out | 1x 1/4" TRS | 1x 1/4" TRS | Output 2Rと兼用 |
| Headphones | 1/4" (標準ステレオ) | 3.5mm (ミニステレオ) | 3.5mm (ミニステレオ) |
| MIDI | In / Out (DIN 5-pin) | In / Out (3.5mm TRS Type-A) | Exp/MIDI兼用 (TRS) |
| Exp Pedal | 2x 1/4" TRS | 1x 1/4" TRS (Exp 2はMIDI変換) | Exp/MIDI兼用 (TRS) |
| USB | USB Type-B | USB Type-C | USB Type-C |
*Quad Cortex miniのSend/Returnは、省スペース化のため1つのTRS端子で2チャンネル分(L/Rまたは1/2)を扱う仕様です。ステレオで扱うにはYケーブル(インサートケーブル)が必要です。
Send/ReturnのTRS集約
元祖では独立していたSend 1/2、Return 1/2が、Miniではそれぞれ1つのTRS端子にまとめられています。
例えば「Send 1/2」端子にTRSケーブル(Yケーブル)を挿すことで、Send 1とSend 2を取り出せます。
省スペースながらも、機能自体(2系統のループ)を削除しなかった点は評価すべきです。
MIDIとHeadphonesのミニジャック化
MIDI端子は昔ながらの5ピンDINではなく、最近のコンパクトエフェクターで主流の3.5mm TRSタイプになりました。
ヘッドフォンもミニジャック化されていますが、実用上は変換プラグがあれば問題ない範囲でしょう。
XLRアウトの維持
ここが一番重要かもしれません。ライブハウスやレコーディングで必須となるXLRアウト(バランス出力)はしっかり2つ確保されています。
元祖 Quad Cortexについて
改めて見ると、元祖の「全てが独立端子」という仕様は贅沢かつ安心感があります。
変換ケーブルやYケーブルを必要とせず、標準的なシールドで全ての入出力を扱える点は、トラブル時の対応力という面でプロユースな仕様と言えます。
また、Inputが2つともComboジャックであるため、マイク2本での弾き語りやステレオ入力など、入力ソースの自由度は最も高いです。
Nano Cortex:必要最小限の割り切り
Nanoは明確に「多機能エフェクター」としての立ち位置とも言えます。
XLRアウトやSend/Return(エフェクトループ)が省略されています。
4ケーブルメソッド(アンプのプリアンプをループに入れる接続)などはできませんが、アンプの前段に繋ぐ、あるいはキャビネットシミュレーターとして最後段に繋ぐといったシンプルな用途に特化しています。
キャプチャ機能(Neural Capture)比較表
まずは機能面の比較です。
「音質」に関しては、プロセッサが同等のため3機種とも理論上のクオリティに差はありません。
違いは「インターフェース」と「管理方法」に現れます。
| 項目 | Quad Cortex (元祖) | Quad Cortex mini (New!) | Nano Cortex |
| Capture作成 | 本体のみで完結 (フル機能) | 本体のみで完結 (フル機能) | 本体で作成可能 (管理はアプリ推奨) |
| Capture再生 | 可能 | 可能 | 可能 |
| 操作画面 | 7インチタッチスクリーンで図解表示 | 7インチタッチスクリーンで図解表示 | LEDリングのみ (詳細はアプリ画面) |
| 接続ガイド | 画面に配線図が表示される | 画面に配線図が表示される | アプリまたはマニュアル参照 |
| 入力端子 | Input 1/2 (Combo) どちらも使用可 | Input 1 (Combo) を使用 | Capture Input (Combo) を使用 |
| 保存・管理 | 本体で名前入力・保存・Cloudアップロード | 本体で名前入力・保存・Cloudアップロード | アプリ経由でCloudへ保存 |
各モデルのキャプチャ・ワークフロー
1. Quad Cortex (元祖) & Quad Cortex mini
この2機種に関しては、後に記述するIAD/DAのクォリティに差がなければキャプチャ体験は完全に同一と言っていいでしょう。
Miniは小型化しましたが、7インチのタッチスクリーンを維持しているため、キャプチャ時の最大のメリットである「接続ガイド」が健在です。
メニューから「New Neural Capture」を選び、画面に表示される通りにケーブルを繋いで、解析ボタンを押すだけ。
レベル合わせの自動化や、キャプチャ後の微調整(A/Bテスト)も画面上でスムーズに行えます。
Miniの場合、マイク入力は「Input 1」のコンボジャックを使用することになります。
Quad Cortex miniに関する懸念点
タッチパネル画面の耐久度
フットスイッチと画面が近いことから、耐久度やミスで画面を踏んでしまったときどうなってしまうかに懸念があります。
ちなみにOla Englundさんがストンプテストを行っていますね。
かなりアグレッシブに踏んでいる…
現場だと、鋭いものが落ちてきたりなどなど、1点に硬いものが落ちたりする場合、日々などが入ってしまうこともあるかもしれません。
自分は調節中にQuad Cortexにドライバーを落としてしまったことがありました…
防護フィルムを張っていたので良かった…
I/Oのクォリティ
I/O(入出力端子)に関して、よくある小型モデルがAD/DAのクォリティが本家モデルと違うという点があります。
省スペースや価格を抑えるためによくある現象で、内部モデルやDSPが高性能でも、この部分が大型モデルと違うパターンがあります。
値段的にminiと本家がほぼ一緒なことからあまり変わらないとは思いますが…
masa's View:これは「買い」か?
個人的には、エフェクターボードで使用するプレイヤーに新たな選択肢を示していると感じます。
オリジナルのQuad Cortexは、それ単体で完結させるには最高ですが、既存のペダルボードに組み込もうとすると「2列のフットスイッチ」や「横幅」がネックになることがありました。
今回のMiniは、スクリーンサイズ(操作性)を維持したまま、横幅を削ぎ落としています。
Nano Cortexでは物足りない(現場でサッとEQを触りたい、画面で確認したい)
Quad Cortexでは大きすぎる(電車移動や、他のペダルと組み合わせたい)
この「帯に短し襷に長し」だった部分を完璧に埋めてきました。特にロータリースイッチを残してくれたのは英断ですね。
重量も1.5kgと軽量なのもポイントですね。
Neural DSP Quad Cortex mini まとめ
2026年の幕開けにふさわしい、Neural DSPからの回答「Quad Cortex mini」。
Nano Cortexの登場で「Miniは出ないのか?」と思わせてからのこの発表、流石です。
フルスペックのQCサウンドを持ち運びたい
タッチパネルでの直感的な操作は外せない
でも、少しでも荷物は軽くしたい
そんなギタリストには、間違いなくメイン機材になり得る一台です。
