皆さんこんにちは、masa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
プレイ面でもその美しさでも話題のギタリスト、Sophie Lloyd(ソフィー・ロイド)。
YouTubeでのシュレッドカバー動画で一気に注目を浴び、Machine Gun Kelly(MGK)のツアーギタリストに抜擢され、2023年にはソロデビューアルバム「Imposter Syndrome」をリリース。
MusicRadar読者投票で「2022年ベスト・ロック・ギタリスト」に選ばれ、Kiesel Guitars初の女性シグネチャーアーティストにもなっています。
9歳でギターを始めたきっかけがスポンジ・ボブの映画だっていうエピソードもあるみたい。
今回はそんなSophie Lloydの2026年最新の使用機材を徹底的に掘り下げていきたいと思います。
目次
Sophie Lloyd 使用機材一覧
まずはSophie Lloydの使用機材をざっと一覧で見てみましょう。
ギター
- Kiesel Sophie Lloyd Signature SL6 / SL6X(メインギター)
- 各種カスタムカラーバリエーション
ピックアップ
- Kiesel Lithium Humbucker(ブリッジ / パッシブ)
- Sustainiac(ネック / 無限サステイン用)
その他ギターハードウェア
- Iron Age Killswitch(キルスイッチ)
アンプ / モデリング
- Kemper Profiling Amplifier(ツアーメイン)
- Neural DSP Quad Cortex(自宅 / サブリグ)
- Diezel VH4(スタジオレコーディング)
- Blackstar(各種コンテキストで使用)
プラグイン
- Neural DSP Archetype: Nolly
弦・ピック
- Ernie Ball Regular Slinky / Paradigm(.010-.046)
Sophie Lloydのサウンド哲学:「ギタリストのコアサウンドは手から生まれる」
Sophie Lloydのサウンドを聴いてまず感じるのは、80年代のギターヒーローのような華やかさと、2020年代のモダンな解像度が同居しているという点です。
歪みが深くても一音一音が潰れず、鮮やかに浮き上がってくるソロトーン。
彼女自身が語っている哲学がすごく印象的で、「ギタリストのコアサウンドは機材ではなく、手から生まれる。
ビブラートやピッキングのニュアンスこそが自分の音を作る」と。
これ、言うのは簡単だけど実践するのはなかなか難しいんですよね。
機材に頼りがちな自分としては刺さる言葉です…
だからこそ彼女は機材をシンプルに保つことを大事にしていて、余計なものを排除してギターとアンプのダイレクトな関係で勝負するスタイルを貫いています。
メインギター:Kiesel Sophie Lloyd Signature SL6 / SL6X
彼女のアイコンとも言えるメインギターが、KieselのSophie Lloyd Signatureモデルです。
Kiesel初の女性シグネチャーアーティストとして開発されたこのギター、見た目のかっこよさもさることながらスペックがかなり尖っています。
スペック
- ボディ: Chambered Black Limba(中空加工で軽量化しつつリッチな鳴り)
- トップ: Flamed Maple(ディープナチュラルトップウッド・ボディバインディング)
- ネック: 1ピース Walnut / Kiesel Thinnerプロファイル(薄めで高速プレイ向き)
- 指板: Royal Ebony / 14インチラジアス / 24フレット
- フレット: ステンレススチール Medium Jumbo(.103” × .048”)
- スケール: 25.5インチ
- ヘッドストック: 3+3ポインテッド / カラーマッチド・フレイムメイプル・オーバーレイ
- チューナー: Kieselプレミアム・ロッキングチューナー(19:1レシオ)
- ブリッジ: Hipshot Fixed Bridge or Kiesel/Hipshot Tremolo
- サイドドット: Luminlay Super Blue(蓄光)
Black Limbaのボディにフレイムメイプルトップという組み合わせがまず渋い。
マホガニーに近いリッチなトーンが出つつ、チェンバード加工で軽量化されているのでステージでガンガン動き回れる設計になっています。
ステンレスフレットと24フレット仕様で、技術的なプレイにもストレスなく対応できる。彼女のようなテクニカルなシュレッドを前提に作られたギターですね。
ピックアップの秘密:Kiesel Lithium + Sustainiac
Sophie Lloydのギターで最も特徴的なのが、ピックアップの構成です。
ブリッジ: Kiesel Lithium Humbucker
メインのトーンを担うのがKiesel Lithiumハムバッカー。パッシブのダイレクトマウントで、出力は結構ホットです。
ミッドがしっかり前に出てくるキャラクターで、ハイゲインでも音がぼやけずに一音一音のアーティキュレーションが残ります。これが彼女のソロが「鮮やかに浮き上がる」秘密の一つかなと思います。
ネック: Sustainiac
そしてここが面白いポイント。ネックポジションにはSustainiacが搭載されています。
Sustainiacは通常のピックアップとしても機能しますが、スイッチを入れると弦を電磁的に振動させ続けて無限サステインを生み出すシステムです。
スティーヴ・ヴァイやMattBellamy(Muse)なんかも使っているやつですね。
Sophie Lloydはこれを使って、ソロの中でエイリアンのような異次元サウンドを作り出したり、長いサステインを活かしたフレーズを展開したりしています。
ただしSustainiacはアクティブシステムなので9V電池が必要で、ツアー中は電池交換を忘れないことが大事になってきます。
あと、弾いてない弦もSustainiacが拾って振動させてしまうので、しっかりしたミュートテクニックが要求されます。
これが意外と難しいんですよね。
Iron Age Killswitch
もう一つの特徴的な装備がIron Age Killswitch。
上部ホーンに配置されたモメンタリースイッチで、押すとギターの信号を瞬時にカットできます。
Sophie Lloydはこれをライブの「大サビ終わり」のような場面でリズミカルに連打して、スタッカート的な「バッバッバッ」というチョッピング効果を生み出しています。
Tom Morello的なパフォーマンスに近い使い方ですね。
キルスイッチはSustainiacやピックアップとは独立した信号経路の最終段に配線されているので、どのピックアップを使っていても機能します。
アンプ / モデリング:状況で完全に使い分けるスタイル
Sophie Lloydのアンプ選びで面白いのが、場面ごとに完全に使い分けているところです。
ツアー: Kemper Profiling Amplifier
Machine Gun Kellyとのワールドツアーでは、Kemper Profiling Amplifierがメインリグです。
海外ツアーでの飛行機移動やタイトなスケジュールの中で、どの会場でも安定した「Sophie Lloydの音」を出せることを最優先にした選択ですね。
バンドメンバー全員がKemperで統一されているとのことで、現場のオペレーションとしても理にかなっています。
Diezel VH4の4チャンネル(リードチャンネル)のプロファイルをメインに使用していると言われており、ミッドをしっかり出した、かつタイトなローで構築された分厚いハイゲインサウンドが特徴です。
自宅 / サブリグ: Neural DSP Quad Cortex
ツアー以外のシチュエーション、例えばSNS用の動画撮影や自作曲のレコーディングではNeural DSP Quad Cortexを愛用しています。
彼女はNeural DSPのプロダクトに対してかなりポジティブで、「アンプモデリング技術をもっと一般のプレイヤーにも使いやすくしたい」という想いを語っていたりもします。
確かに現状のモデリング機材って、ガチのギアオタク向けに作られすぎている部分はあるかもしれませんね。
スタジオレコーディング: Diezel VH4
レコーディングでは真空管アンプへのこだわりを見せていて、Diezel VH4ヘッドを使用。
VH4の4chのあの「壁を突き破るような」ハイゲインサウンドは、Sophie Lloydのシュレッドトーンとの相性が抜群です。自分もVeroCityのVH34を使っているのでわかりますが、あのミッドの出方とタイトなローの具合は他のアンプではなかなか出せないんですよね。
ゲインはかなり高めに設定しつつ、ローカットを意識してタイトさを保つ。プレゼンスは5〜7くらいで音のアーティキュレーションを確保しつつ、耳に刺さらない範囲に留めるのがポイントのようです。
プラグイン: Neural DSP Archetype: Nolly
DAW上でのレコーディングでは、Neural DSP Archetype: Nollyプラグインもお気に入りとのこと。
Nollyはモダンメタル寄りのハイゲインが得意なプラグインで、彼女のスタイルにマッチしているのも納得です。
ペダルボード:ミニマリスト・アプローチ
Sophie Lloydのペダルボードについて調べて驚いたのが、ほとんどペダルを使わないということ。
彼女のコアトーンはギターのピックアップ(Lithium + Sustainiac)とアンプ(Kemperのプロファイル or Diezel直)で完結しており、ペダルはリバーブなど最小限のエフェクトのみ。
Quad CortexやKemperに内蔵されたエフェクトで空間系をまかなっているケースが多いようです。
弦・ピック・チューニング
弦: Ernie Ball Regular Slinky (.010-.046)
Ernie Ballのエンドースアーティストとして、Regular Slinkyの.010-.046ゲージを使用しています。ツアー中は耐久性を重視してParadigmバージョンを使用することも。
.010スタートは彼女のパワフルなピッキングスタイルに必要な「キック」とテンション感を確保するためとのことで、.009だとちょっと物足りないんだそうです。
激しいツアースケジュールでは2公演ごとに弦を交換しているらしく、弦の鮮度に対するこだわりも見えますね。
チューニング
基本的にはEスタンダード。
曲によってはMGKの楽曲に合わせて変則チューニングを使うこともあるようですが、自身のコンテンツでは基本レギュラーチューニングです。
ツアー中に複数のギターを用意して、すべてを同じセッティングで統一しているとのこと。
ギターを持ち替えた瞬間に違和感なく弾けることを重視しているスタイルです。
Sophie Lloydの機材まとめ
Sophie Lloydの機材哲学をひとことで言うなら、「引き算の美学」だと思います。
- Kiesel SL6のLithium + Sustainiacという攻撃的かつ汎用性の高いピックアップ構成
- ツアーではKemper、スタジオではDiezel VH4と、状況に応じた使い分け
- ペダルは最小限、コアトーンは機材ではなく「手」で作る
80年代のロックヒーローへのリスペクトと、現代のデジタルテクノロジーの活用を高い次元で融合させている。
「Imposter Syndrome(インポスター・シンドローム=詐欺師症候群)」というアルバムタイトルには、SNSから火がついた自分のキャリアに対する葛藤が込められているそうですが、MusicRadarベスト・ロック・ギタリスト受賞、Kiesel初の女性シグネチャーアーティスト、MGKのワールドツアーのギタリストという実績を見れば、彼女が「本物」であることは疑う余地がありません。
これからもSophie Lloydの機材とキャリアの進化から目が離せません。
