皆さんこんにちはmasa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
長きにわたりWashburnの顔であったヌーノ・ベッテンコートが、ついに自身のブランド「Nuno Guitars」を設立しました。
単なるシグネチャーモデルの枠を超え、彼自身がCEOとして指揮を執るこの新ブランド。 長年の相棒である「N4」の系譜を継ぎつつ、全く新しいコンセプトで設計された2つのニューモデル、「Dark Horse」と「White Stallion」について、公開されて情報をもとにまとめます。
目次
新モデルのコンセプトと「N4」の立ち位置
まず重要なのは、これが「Washburnからの完全な決別」というよりも、「ヌーノ自身の理想を追求するための独立」であるという点です。
「N4」もNuno Guitarsのラインナップとして継続され、これまでのファンを置き去りにすることはありません。 その上で、新たな主力として投入されたのが以下の2機種です。
Dark Horse(ダーク・ホース)
ヌーノが「N4以来の革命」と位置づけるフラッグシップモデル。 ブラックを基調とした精悍なルックスですが、塗装ではなく木材の持つ色味を活かした設計が特徴です。
ボディ
アルダーバック + ジリコテ(Ziricote)トップ。
ジリコテは硬質で比重があり、独特の幾何学的な杢目が特徴のエキゾチックウッドです。アルダーのバランスの良さに、ジリコテの鋭いアタックとローエンドの深みが加わります。
ストライプ
ボディを貫く特徴的なラインはペイントではなく、エボニーとメイプルの木材を実際に埋め込んでいます(インレイ)。
ペイントでない、実際に木材を貼り合わせて使用しています。
ピックアップマウント
ピックアップのマウントにはエスカッションが見られますが、従来のNunoのN4や4Nのようにリアだけダイレクトマウントの可能性あり。
White Stallion(ホワイト・スタリオン)
Dark Horseの対となる「白銀の馬」。 こちらは単なる色違いではなく、使用木材が根本的に異なります。
ボディ
アヴォジュア(Avodire / ホワイト・マホガニー) 3ピース + カーリーメイプルトップ。
アヴォジュアはマホガニーに近い特性を持ちながら、より明るくクリアな響きを持つ木材です。メイプルトップとの組み合わせにより、Dark Horseよりも高域の煌びやかさ(ブライトさ)が強調されたサウンド傾向にあります。
ピックアップマウント
ピックアップはダイレクトマウント。
スペックに見る「ヌーノの美学」
両モデルに共通する仕様からも、ヌーノの揺るぎないこだわりが見て取れます。
- ネック: バーズアイ・メイプルネック + エボニー指板。ここはN4からの黄金比を継承。
- ジョイント: Stephen's Extended Cutaway (S.E.C.) に関して、考案者のStephen Daviesに許可を取ろうとしたところ、もう自由に使って良いとのことでExtended Cutawayとして採用。ハイポジションへのアクセスはN4同様、ストレスフリー。
- ピックアップ: 新開発の「Nuno Signature Pickup」を搭載。
- セイモアダンカンとの共同で開発されたこのピックアップ。長年愛用したBill Lawrence L-500のクローンとして他社より圧倒的に好感触だったとのこと。
- ブリッジ: 信頼のFloyd Rose Original。
ラインナップの階層:ThoroughbredとStable
Nuno Guitarsは、価格帯や製造ラインによってシリーズ分けされています。馬にちなんだネーミングが秀逸です。
- Thoroughbred(サラブレッド)シリーズ:
- いわゆるMasterbuiltグレード。最高級の木材を使用し、ハンドメイドで製作される最上位機種。ボディのストライプが裏側まで貫通しているのが特徴です。
- Stable(ステイブル / 厩舎)シリーズ:
- USA Productionライン。カリフォルニア州オックスナードで製造。Dark Horseのトップ材がウェンジ、White Stallionのトップ材がスワンプアッシュになるなど、仕様が実戦的に見直されていますが、クオリティはプロユースです。
- Colt(コルト / 子馬)シリーズ:
- コストパフォーマンスに優れたインポートライン(予定)。
Nuno Guitars 詳細 まとめ
ヌーノ・ベッテンコートが満を持して放つ「Nuno Guitars」。 「Dark Horse」と「White Stallion」は、単なる見た目のバリエーションではなく、木材の特性(トーンウッド)を深く理解した上で、異なるサウンドキャラクターを狙って設計された「機能美の塊」です。
- Dark Horse: 重厚かつ鋭利。ジリコテのアタック感。
- White Stallion: 明瞭かつワイドレンジ。アヴォジュアの鳴り。
- N4: 完成されたスタンダード。
我々ギタリストにとっては、選択肢が増えるという「嬉しい悲鳴」がまた一つ増えました。 国内への入荷や実機のサウンドチェックが待たれます。
