皆さんこんにちはmasa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
VALETON GP-50というバッテリー付きマルチが発表されました。
単なるGP-100の弟分というわけではない進化があるようなので
GP-50の詳細スペックを整理してまとめます。
目次
VALETON GP-50 詳細スペック
オーディオ / システム
- A/D/A コンバーター: 24-bit 高性能オーディオ
- サンプリング周波数: 44.1 kHz
- S/N比: 106 dB
- 同時使用モジュール: 最大9個
- パッチメモリー: 100スロット (55 ファクトリー / 45 ユーザー)
- IRスロット: 20 (サードパーティIR用)
- SnapTone (NAM) スロット: 80 (50プリロード / 最大80保存可能)
入出力 / 接続
- インプット: 1/4" アンバランス (TS) / 1MΩ
- アウトプット (L/R): 1/4" アンバランスステレオ (TS) / 100Ω
- ヘッドフォンアウト: 1/8" ステレオ (TRS) / 22Ω
- 外部コントロール端子: EXP/FS 1/4" (TRS)
- デジタル接続:
- USBポート: USB 2.0 Type-C
- MIDI IN: 1/8" (TRS)
- MIDI THRU: 1/8" (TRS)
- ワイヤレス: Bluetooth 5.0 Dual-Mode (BLE & Audio)
電源 / 筐体
- 電源:
- DC 9V センターマイナス (500mA)
- USB 5V (1A)
- 内蔵バッテリー: 1450mAh (DCおよびUSB入力から充電可能)
- サイズ: 122mm (W) × 82mm (D) × 54mm (H)
- 重量: 430g
VALETON GP-50の3つの特徴
VALETON GP-50の注目ポイントを纏めます。
1ポケットに入るNAM「SnapTone」の衝撃
最大のトピックは間違いなくこれです。「SnapTone」技術により、PC用のフリープラグインとして爆発的な人気を誇るNeural Amp Modeler (NAM) のプロファイルをロード可能としています。
Darkglass ElectronicsやTwo notesでも使用されているNeural Amp Modeler (NAM)が使われていることは注目点と言えます。
これまでNAMのリアルなアンプサウンドをライブで使うには、PCを持ち込むか、特定の高価なハードウェアを用意する必要がありました。
GP-50なら430gの筐体に最大80個ものNAMファイルを保存し、持ち運べるメリットがあります。
「電源からの解放」がもたらす機動力
1450mAhの内蔵充電式バッテリーの搭載も極めて実用的です。 ステージ上での電源確保や、ノイズの原因になりやすいACアダプターの配線から解放されます。
- 路上ライブ: アンプ不要、これ1台とポータブルスピーカーで完結。
- 転換の速さ: ギターケースから出してシールドを挿すだけでセッティング完了。
- モバイルバッテリー給電: 万が一の電池切れも、スマホ用のモバイルバッテリーで延命可能。
このサイズで妥協なきI/O設計
通常、小型マルチは入出力が犠牲になりがちですが、GP-50はここをしっかり押さえています。
- ステレオアウト: 空間系を多用するシューゲイザーやアンビエント系のプレイヤーも納得の広がり。
- MIDI IN/THRU: スイッチャーシステムの「アンプ兼マルチ枠」として組み込める拡張性。
- USBオーディオIF: スマホ(iOS/Android)にも対応し、旅先での録音や配信もこれ1台で完結。
VALETON GP-50に関する懸念点
しかし、カタログスペックからは見えにくいデメリットになりえそうな懸念点もあげます。
1. 「SnapTone」変換の真実
NAM対応は魅力的ですが、PC上で動作する本家のNAMは非常に高いCPU負荷を要求します。 それをこの小型筐体のDSPで処理するために、「SnapTone」への変換時にデータの間引きや圧縮が行われている可能性があります。
真空管アンプ特有の粘りや、ピッキングの強弱に対する追従性といったNAM本来の強みが、変換後も維持されているのか。
意外とこのあたりは実機を触ってみないとといった感じですね。
2. DSPリソースと音切れのリスク
仕様には「最大9モジュール同時使用」とありますが、NAMのような高負荷なモジュールを使用した際、リバーブやピッチシフターといった他のエフェクトにどれだけのリソースを割けるのかは未知数です。
だいたいマックスまで使えなかったりするので、こちらも試してみる必要がありますね。
3. 操作性とアプリ依存のジレンマ
1.77インチという小さな画面と最小限のコントロール類 は、現場での直感的な操作を難しくします。
基本的にはBluetooth経由のスマホアプリでのエディットが前提となります。
しかし、安価なハードウェアの場合、アプリの更新がOSの進化に追いつかず、数年でエディターが使用不能になるリスク(陳腐化)も考慮する必要があります。
4. バッテリーの宿命
内蔵バッテリーは便利ですが、長期運用においては「消耗品」です。
数年の使用でバッテリーが劣化した際の対応についてはあまり触れられていません。
まとめ
VALETON GP-50は、**「NAM対応 × バッテリー駆動」**という、現代のギタリストが夢見たコンセプトを具現化した、非常に魅力的なプロダクトです。 サブボードの核として、あるいは機動力重視のメイン機として、そのポテンシャルは計り知れません。
一方で、そのサウンドクオリティ(特にNAMの再現度)とハードウェアの耐久性については、まだ「未知数」な部分が多いのも事実です。
IK MultimediaのTONEX Oneなどの競合に対してどれくらいのアドバンテージがあるのか楽しみです。
値段はかなりやすいんだよなー。
