皆さんこんにちはmasa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
「ギターは出荷時の状態が最もバランスが優れているため、改造すべきではない」
こんな感じの言説が一時期ネットでざわついていました。
これに対して当たり前のようですが、「環境と目的による」という結論が導き出されます。
完成されたバランスをあえて崩すことでしか見えてこない設計思想や、プレイヤー個々のタッチに合わせた最適化こそギターの楽しみ。
今回は、ハイエンドからマスプロダクションまで、ギターをカスタマイズすることで得られるメリットと、耳を鍛えるための改造ステップについてまとめました。
目次
ハイエンドと量産機、それぞれの改造へのアプローチ
ギターのグレードによって、改造の意味合いは少し異なります。
ハイエンドギターの場合
Suhrなどのハイエンドギターは、確かに設計段階で緻密なバランスが計算されています。
ここを不用意にいじると、トータルバランスが崩れるリスクがあるのは事実です。
しかしピックアップ交換のような「可逆的な改造」であれば、試す価値は十分にあります。
あえてバランスを崩してみることで、「なぜ元のパーツが選ばれていたのか」という設計者の意図を逆説的に理解できるからです。
元に戻せる範囲での実験は、そのギターへの理解を深める最短ルートになります。
量産モデルの場合
一方大量生産ラインのモデルに関しては、コストとの兼ね合いで汎用的なパーツが採用されていることが多いです。
ここは積極的に手を加えていくべきゾーン。
パーツを一つ変えるだけで、「ここの音が変わるのか」という因果関係が明確に体験できます。
実験台として最適であり、自分の好みを反映させる余地が大きく残されています。
ギター改造と「変数」としてのプレイヤーと機材環境
改造が必要になる最大の理由は、プレイヤー自身とそれ以降にプラグインする使用機材という「変数」が千差万別だからです。
メーカーが想定した「標準」が、必ずしもあなたの正解とは限りません。
プレイスタイルによる最適化
タッチの強弱を活かしてコンプレッションの少ないピックアップに変えることで、ダイナミクスを活かす改造。
ヘヴィ系のバンドアンサンブルで、高出力でコンプレッションがある程度あるピックアップが必要になる局面もあるでしょう。
手元のボリューム操作を多用するギタリストなら、音色だけでなく、ポットをトルクの軽いものに変えて演奏性を上げる改造なども考えられます。
アンプとのマッチング
例えば、マーシャルのようなハイ帯域が強いアンプをメインにする場合。
ギター側でハイ成分を少し柔らかくするようなカスタマイズを施すことで、アンサンブルでの馴染みが良くなります。
「アンプで調整しきれない帯域をギター側で微調整する」 この視点を持つと、改造は単なる趣味ではなく、実用的なソリューションになります。
ギター改造と耳を鍛える改造のステップ
闇雲に変えるのではなく音の発生源から順を追ってカスタマイズすることで、各パーツの役割を学習できます。
ここではストラトキャスタータイプを例に、推奨するステップを紹介します。
ステップ1:物理要素(サドル、ブリッジ、スプリング)
まずは電気を通さない「生音」に影響する部分から。
サドルの素材や形状、トレモロ・スプリング(裏のバネ)の本数や種類。
これらは弦振動そのものに影響を与えます。
倍音の出方やサスティン、アタックの速さがどう変わるか。
生音の変化はアンプからの出音にも直結するため、最も勉強になるポイントです。
またネックプレートなど、割と気軽に交換でき、かつ安価なパーツも多いのでこちらもおすすめです。
ステップ2:電装系(ポット)
次に、その生音を電気信号としてどう伝えるかを司るセクション。
ボリュームポットやトーンポットの抵抗値や品質、トルク。
ここを変えることで、信号のロスやハイ落ちの具合が変わります。 前述したトルクの重さなど、操作感に直結する部分でもあります。
ちなみにコンデンサに関しては、同じ数値であれば聴感上の判別が非常に難しいため、優先順位は低くて構いません。
まずは変化のわかりやすい物理パーツと主要な電装系にフォーカスすることで、効率よく耳の解像度を上げることができます。
デメリットと注意点
もちろん、バランスを崩すことによる弊害もあります。
特定の帯域を突出させることで、他の機材との相性が悪くなる可能性も否定できません。 また、物理的なパーツ交換はセットアップ(弦高やオクターブ調整)の再調整を伴います。 ここを怠ると、パーツの良し悪し以前に楽器としての機能が低下します。
ギターの改造 まとめ
完成されたバランスを恐れずに、自分の環境に合わせて再構築する。 そのプロセスで得た「パーツと出音の関係性」のデータは、ギタリストとしての大きな財産になります。
まずは弦交換のついでに、サドルやスプリングといった物理的なパーツから見直してみてはいかがでしょうか。
意外なほど音が変わり、愛機への愛着がさらに湧くはずです。

