皆さんこんにちは、masa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
Instagramから火がつき、今や現代のギターヒーローとして確固たる地位を築いているマテウス・アサト(Mateus Asato)。
彼のプレイは、ネオソウル的な洗練されたコードワークと、ロックでエモーショナルなリードプレイが見事に融合していますよね。
そんなマテウスの機材ですが、2026年に入り、長年連れ添ったSuhrから離脱したというニュースが界隈をざわつかせました。
今回は、彼がどのようにしてあの「極上のトーン」を作り出しているのか。
過去のSuhr時代から、2026年最新のFender使用に至るまでの変遷、そして一貫したサウンドメイクの哲学を僕なりの視点で徹底解剖していこうと思います。
目次
マテウスアサトのアンプ
マテウスの音作りの根幹には、非常に一貫した哲学があります。
「クリーンでヘッドルームの大きいアンプを基盤にし、ペダルで歪みや空間系を重ねていく」というスタイルです。
彼はアンプ自体を深く歪ませることはあまりせず、あくまでエフェクターのポテンシャルを最大限に引き出すための「キャンバス」としてアンプを使用しています。
一時期メインで使っていたSuhrのBadger 30/35などは、まさにペダルとの相性が抜群で、ヘッドルームの広さが特徴です。
また、最近のインタビューで彼が「オールタイム・フェイバリット」と絶賛しているのがBogner Shiva 20th Anniversary(KT88管搭載モデル)です。
明るすぎるFender Twin系のクリーンよりも、中低域に粘りがあり「暖かみのある音」を好む彼にとって、Bognerのクリーンチャンネルは「完璧なクリーン(perfect clean channel)」だとのこと。
ストラトキャスターとチューブスクリーマー系のペダル、そしてこのBognerの組み合わせが彼の極上トーンの揺るぎない土台になっています。
マテウスアサトのエフェクター
Mateusのアンプで作った極上のクリーンキャンバスに彩りを与えるのが、緻密に組まれたエフェクターボードです。
ボードの中身は常にアップデートされていますが、核となる部分は共通しています。
歪みペダルの核:Jackson Audio ASABIとトランスペアレント系 以前、当ブログでもJackson Audioの彼のシグネチャーモデル「ASABI」を取り上げました。
このペダルはMarshall JCM800やプレキシ系の歪みを網羅し、多彩なクリッピングを選択できるこのペダルは、彼自身のボードでもブースターから深いディストーションまで多用されています。
さらに近年では、Browne AmplificationのCarbon Xや、ハイファイなVemuram Jan Rayなども愛用。
レンジが広く、ギターのボリュームやピッキングの生々しい「手触り」に機敏に反応するペダルを好んで選んでいることがわかります。
濁らない空間系の美学 彼のプレイの代名詞とも言える、美しく広がるリバーブやディレイ。
Strymon Flint(トレモロ+リバーブ)やNeunaber Immerse、ディレイにはDunlop Echoplexなどを愛用しています。
特にNeunaberのクラウド系リバーブは、ロングテールでありながらも原音の輪郭を全く濁らせない絶妙なチューニングになっており、彼の複雑なコードワークを美しく響かせるため必須とも言えます。
マテウス、SuhrからFenderへ?
マテウスと言えば、長年愛用してきたSuhrのSignature Classic S(特にShell Pinkの個体)のイメージが強いですよね。
ローステッドメイプルネックにMLピックアップ、そしてブリッジのハムバッカーという組み合わせは、圧倒的な弾きやすさとミッドレンジの迫力を生み出し、彼のプレイを長らく支え続けてきました。
しかし2026年1月、12年間にわたるSuhrとのプロフェッショナルな関係終了を発表。
その後、2月に開催されたFender Flagship Tokyoでのイベントにて、彼はFender American Ultra Luxe Vintage Stratocasterを手に素晴らしいパフォーマンスを披露しました。
このUltra Luxeシリーズ、ステンレスフレットや10-14インチのコンパウンドラディアス、ヒールカットなど、Suhrにも通じるような「モダンなプレイアビリティ」を極めたスペックを持ち合わせています。
イベントでこのギターを弾いたマテウスは、「自分専用のカスタムみたいだ」と絶賛したそう。
現場で観たファンからも「Suhr時代よりも木の鳴りがオーガニックに聞こえる」「抜けが良く耳に優しい音」と高く評価されていました。
現時点(2026年3月)では、彼自身は「どのギターメーカーとも契約していない(Single & happy)」と語っており、Fenderへの正式なエンドースメント移籍が決定したわけではありません。
しかし、完璧なバランスで組み上げられたハイエンドギターから、よりプリミティブで「生々しい木の鳴り」を感じさせるFenderのストラトキャスターを手にしたことで、彼のトーンに新たな「身体的なノイズ」が付加されたのは間違いありません。
完成されたバランスをあえて崩した先に見えるものが、ここにもある気がします。
マテウスアサトの機材まとめ
マテウス・アサトの機材システムを見ていくと、奇をてらった魔法の機材があるわけではなく、「上質なクリーンアンプ」「ピッキングに追従する歪み」「原音を濁らせない空間系」という、極めて理にかなった選択がされていることがわかります。
結局のところ、最高のトーンを生み出しているのは彼の「指先」であり、その指先のニュアンスを余すことなく出力するための機材選びなのでしょう。
Suhrから離れ、フリーな立場で新たなサウンドを模索し始めた2026年のマテウス・アサト。彼がこれからどんな機材を選び、どんな偏愛(ノイズ)を我々に聴かせてくれるのか。
楽しみです。
