皆さんこんにちはMasa BLIK Ito(まさぶりっくいとう)です。
さあ今回もVeroCity effectsのペダルを紹介していきたいと思います。
Fender Tone MasterのエミュFTM-Custom、Friedman BE-100のエミュFRD-Deluxeときて今回はオルタナティブやメタル、ヘヴィ系のミュージシャンたちの機材の歴史を塗り替えたアンプDIEZEL VH4のエミュレータVeroCity VH34を掘り下げていってみたいと思います。
ハイ、ミドル、ローすべてがゴリっと抜けるような通常ではちょっと考えられない表現が似合うこの
VeroCity effects pedalst VH34 。
現場で現在の機材で抜けなかったらこいつ、というくらい実は汎用性が高いモデルです。
それでは見ていってみましょ~!
目次
DIEZEL VH4とは
そもそもVeroCity VH34 のもととなったアンプDIEZEL VH34とはどのようなアンプかみていくと、ドイツのDIEZEL社が1994年にフラッグシップモデルとして出した完全独立の4chのアンプです。
1chは澄み切ったクリーン、2chはクランチサウンド、3chでも十分な歪みのディストーション、更に限界を突破したように歪んだ4chのリードチャンネル。
といった具合にこれ一台あれば無敵といった感じのヘッドです。
さらにDeepとPresenceのつまみで超低域、超高域を調整していくというイメージですが、このDeepつまみの効きがすごく、地響きというレベルまでローが出ます。
しかも基本的なギターのレンジの音色に影響を与えず、ゴリゴリと悪いキャラクターが出てくるようなイメージですね(笑)
1990年代といえばモダンヘヴィネス系のアーティストはMESA BOOGIEのRectifierアンプが圧倒的なシェアを誇っており、分厚いダンボールを割いていくようなゴリゴリした歪みが一斉を風靡していました。
しかしDIEZEL VH34の飛ぶような、しかしきちんと出ているローといった具合の歪みが出現してから状況が一変しました。
使用アーティストもMETALLICAの二人、スマッシング・パンプキンズのビリー・コーガン、LUNA SEAのSUGIZOなど無数のミュージシャンが使用しています。
また現在ではDjent系のミュージシャンの使用も見られます。
またその次に発表されたHERBERTも国内ではHi-STANDARDの横山健、ハイエイタス・ELLEGARDENの細美武士など数限りないミュージシャンが使っていますね。
現在メインじゃなくても各ミュージシャンのRECスタジオに必ずあるような、DIEZELも定番になっているね。
VeroCity VH34の機能
実際のVeroCity VH34はそのDIEZELVH4 の3chと4chを抜き出した形のプリアンプとなっています。
基本的なボリューム、ゲインが2種、ハイ・ミドル・ロー三種のEQというツマミで構成されています。
もちろん半挿しでプリアンプとして使え、全部挿すとアンプのインプットにつなぐエフェクターモードとして使えます。
Deep、Presenceは本来パワーアンプのセクションなので潔くプリアンプとして使ってくれという姿勢が見られます。
VeroCity VH34のサウンド
CH1(アンプで言えばCH3のエミュレート)はストレートな歪でこのチャンネルだけでもリードまで行けてしまうほど歪みます。
意外と昨今のDjent系のミュージシャンはこちらのチャンネルのゲインを控えめにしてTS系の歪みを足してローをコントロールして使うような使い方が多かったりするようですね。
しかしCH1のゲインを絞れば正統派なオーバードライブ、ギターのボリュームを絞ればクランチも全然行けたりします。
ハイのレンジは耳が痛いところまでは行かないのですが、全体のイメージとしては硬めのサウンドで、ミドルが意外と出ています。
ローも深いローが出ているというより、超低域はうまい具合に整理されています。
逆にこのクランチが好きでよく使っています。
このクランチがまた独特で歪みのイメージそのままで直進するようなイメージの抜けるクランチが出せます。
CH2(アンプで言えばCH4のエミュレート)はCH1の歪みの粒を細かくしたようなサウンドで、ゲインを上げていくとどこまでも無限に歪んでいくような歪みの海に溺れる感じがします(笑)
こちらのゲインを控えめにして刻みなどのバッキングを行いたいという方もたくさんいそうですね。
筆者の現在のメインギターのリアにはsuhrのSSVというそこまで出力が高くないハムが載っているのですが、こちらでもCH2はゲインを10時くらいで目一杯歪みます。
それでいて割れることなく、基本的な音色が崩れない為素晴らしいプリアンプです。
VeroCity VH34を使うメリット
前述しているように歪みに関してはイメージよりストレートな歪みですが、ちょっとゲインを抑えてボリュームを絞ってシングルコイルで弾くクランチが素晴らしいです。
しっかり抜けてくれるクランチで、こちらも歪みと印象が同じでしっかりとしたミドルが出ており、ハイとローのバランスが絶妙です。
筆者はとある事情から一時期機材が一度手元から全てなくなってしまったという経緯があり、昔もこのVH34を持っていたのですが、機材をもう一度手元に戻すときに真っ先に竿本体とこのVH34を手に入れました。
どんな状況でも信頼できる機材としてこいつを選びました
そのときに昔のVH 34と現在のものと印象が少し違い、現在のもののほうがゲインが若干高いのではと思い、VeroCityのビルダーの大本さんに尋ねたところやはりそのようなチューニングをしていたらしく、小憎らしい演出だなぁとニマニマしました。
一つ一つ違うのがアンプと同じでやはり「楽器」です。
それほどまでにクランチ、歪み、激歪みとかなり広範囲に、しかも抜けてくる音色でピーキーでもなく扱いやすいというスーパー信頼できる機材です。
全員一台づつ持つがいいむしろ
あと、前段にEQをかましてミドルをスクープ(過激に削る)っていくとHERBERTサウンドになります。
実はDIEZELもVH4 とHERBERTのチューニングはそこくらい?と聴いたことがあるようなないような
試して見る価値あり
VeroCity VH34の弱点とは
これに関してはストレートに抜けてくる歪みからFender系のボリューム限界まであげた「これ以上やっちゃったら壊れちゃうんじゃないか」というような味のあるクランチという感じではなく、どこか余裕のあるような歪みになります。
これはサウンドの質なので弱点というかVH4というアンプ自体の方向性だと思います。
またDeepとPresenceがないので、こちらがほしければこの歪みの後段にEQ的なデバイスを設置する必要があります。
自分はそこまでローがほしい現場が今はないので使いません。
本家VeroCityからもそのようなデバイスが現在発表されていますね!
こうなってくるとこっちもほしいな。
DIEZELのペダルとの違いは?
本家DIEZELからもVH系のペダルとHERBERT系のペダルが出ていますが、筆者は実は試していません…
しかしこちらの回路はヘッドの回路とは全く違っており、足元の歪として特化しているという話も聞いているので、エフェクター的に使う方は試してもいいかなと思います。
またつまみが多いので細かくいじりたい方やこちらにはDeepやPresenceがついているのでこのサウンドを試したい方にもおすすめです。
VeroCityは基本的にアンプの回路をあのサイズに落とし込むというのが最大の魅力となっているので、実はサウンドは競合していなくアンプサウンドを出したかったら迷わずVeroCityです。
自分はVeroCityドンピシャだったので試してもいないのです…
VeroCity VH34まとめ
いかがでしたでしょうか。
現在自分はクランチ、クリーン主体のためFRD-Deluxeをメインで使っていますが、明日の会場がわけもわからないほど大きかったり、追いてある機材が全くわからなかったりしたら、このVeroCity VH34を持っていくと思います。
こいつを持っていけばヘヴィな歪み、クランチ、きめ細かい歪みのリードとまず間違いのないサウンドが出ますし、セッティングも出ているところがある程度決まっているので、迷うことがないです。
ギターも現代系のハイゲインPUが載ったものはもちろんストラトなどシングルコイルなどにも合います。
無骨な顔をして実は器用なVeroCity VH34でした。
それでは~