皆さんこんにちは、masa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
Jakub Zytecki(ヤクブ・ジテッキ)は、ポーランド出身のギタリスト・コンポーザーです。
Disperseというプログレッシブメタルバンドでシーンに登場し、その後ソロ活動でドリームポップ、シネマティック、アンビエントジャズを混ぜた独自の世界観を築き上げた、現代もっとも影響力のあるギタリストの一人です。
ギタリストというより「音響作家」と呼びたくなるタイプで、コードワーク、リバーブ、空間処理が全部ひとつの楽曲として設計されている。
そのサウンドを支える機材構成も、ギター直のシンプルさではなく、複数のリバーブ・ディレイ・モジュレーションを同時並行で走らせる、かなりスタジオ寄りのアプローチです。
今回はそんなヤクブの2026年最新の機材を掘り下げていきます。
目次
Jakub Zytecki 使用機材一覧
ギター
- Aristides 060 / 070(ポリマー複合材ボディ / メイン)
- Mayones Regius 6 / 7(セカンド)
- Fender Jazzmaster / Stratocaster(クリーン / インディ系フレーバー)
アンプ / モデラー
- Neural DSP Quad Cortex(メイン)
- Kemper Profiling Amplifier(スタジオ用途)
エフェクター
- Strymon BigSky(メインリバーブ)
- Strymon TimeLine(ディレイ)
- EarthQuaker Devices Afterneath(アンビエントリバーブ)
ヤクブのサウンド哲学:ギターを風景に溶かす
ヤクブのトーン設計の軸は「ギターを単体の楽器として鳴らさない」という発想です。
コードを弾いた瞬間に、音は既にリバーブとディレイで空間に溶け出していて、輪郭が曖昧なまま楽曲全体のテクスチャーに組み込まれていく。
この「溶かす」ためにリバーブ・ディレイ・モジュレーションを重ね、さらにEQでミッドを削ぎ落として、あえて楽曲の中心にいないようにする。
プログメタル出身なのに、いわゆる「ギターヒーロー」的な主張の強さとは真逆のベクトルを向いているのが、彼の最大の特徴です。
メインギター:Aristidesの特殊素材ボディ
オランダのビルダー、Aristidesのギターがヤクブの代表機です。
木材を一切使わない、独自のポリマー複合材「Arium」で作られたボディが最大の特徴で、温度・湿度に対する安定性が異常なほど高い。
一般的な木製ボディと比べて倍音がクリアに伸びるので、リバーブを深くかけたときに音がぼやけず、粒がきれいに残るんです。
ヤクブのように空間系を徹底的に使うプレイヤーにとって、この「ボディ由来の倍音が濁らない」性質は決定的なアドバンテージになります。
アンビエント鍵となるペダル群
ヤクブのサウンドで一番重要なのは、間違いなく空間系ペダルです。
Strymon BigSkyはメインリバーブとして長く愛用されていて、Shimmerモードでの幻想的な持続音は、彼のコード弾きの象徴とも言える。
さらにStrymon TimeLineで長めのディレイを重ね、EarthQuaker Devices AfterneathでグラニュラーエフェクトによるSF的な揺らぎを追加する。
この3段構えで、一音弾くだけで「風景」が立ち上がるトーンが完成します。
Neural DSP Quad Cortexの使い方
アンプシミュはNeural DSP Quad Cortexがメインですが、彼の使い方は独特です。
歪みは控えめで、むしろクリーン〜クランチ手前のブレイクアップ領域を中心に使い、ギター側のボリュームで表情を付ける。
歪みは外部ペダルやプラグインで後付けする場面が多く、Quad Cortex自体は「ベースとなるトーンのキャンバス」として運用されています。
トーン再現Tips
ヤクブサウンドに近づくには、まずリバーブを2系統以上用意することをおすすめします。
1系統目はホールリバーブでベースの空間を作り、2系統目でShimmer系の倍音レイヤーを重ねる。
ディレイは4分音符より長めのタップテンポで設定し、フィードバックは控えめに。
ギター側はセンターやフロント寄りのピックアップで、ミッドをやや削った状態にすると、彼のあの「ガラスのような」サウンドに近づきます。
Jakub Zyteckiの機材まとめ
ヤクブの機材選びは、ギターそのものよりも「ギターが鳴っている空間」をどう設計するかに全振りされています。
Aristidesの透明な倍音、Quad Cortexの素直なアンプトーン、Strymon軸の緻密な空間系。
この3層が噛み合って初めて、あのシネマティックな音楽が成立しているわけです。
「コードを弾くだけで世界観が立ち上がるギター」を目指したい方には、ヤクブのリグは最高のリファレンスになります。
