皆さんこんにちは、masa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
Tom Quayle(トム・クエール)は、イギリス出身のフュージョン系ギタリストで、レガート奏法の第一人者として世界的に知られています。
ピックを使わず、ハンマリング・プリングオフ・タッピングだけで滑らかに音を繋いでいくスタイルは、独自の「フォーズ・チューニング(4度間隔チューニング)」とセットで語られることが多い。
機材構成も、歪みを強く使う現代ロック系とは真逆で、クリーンに近いエッジ・オブ・ブレイクアップ領域を繊細に使う、ジャズ・フュージョン的な美意識に貫かれています。
今回はそんなトムの2026年最新の機材を掘り下げていきます。
目次
Tom Quayle 使用機材一覧
ギター
- Ibanez AZ Prestige Tom Quayle Signature(メイン / フォーズチューニング対応)
- Suhr Classic(セカンド)
アンプ / モデラー
- Fractal Audio Axe-Fx III(メイン)
- Fractal FM9(サブ / ライブ用)
エフェクター
- Free The Tone系コンプレッサー(ダイナミクス制御)
- Strymon Flint(リバーブ / トレモロ)
トムのサウンド哲学:レガートは「歪み量」ではなく「サステイン」
トムのトーン設計で最も特徴的なのは、レガート奏法を支えるのが「歪みの量」ではなく「サステインの質」だという考え方です。
ハイゲインにすればハンマリング音は目立ちますが、そのぶん粒立ちが曖昧になり、音価(ノートの長さ)の制御が難しくなる。
トムはゲインを控えめに抑え、代わりにコンプレッサーで音の立ち上がりを整え、アンプのナチュラルなサステインで音を伸ばす。
この組み合わせによって、ピックを使わなくても一音一音の輪郭がはっきり出るサウンドが成立しています。
メインギター:Ibanez AZ Tom Quayle Signature
トムのシグネチャーモデルが、Ibanez AZ Prestigeのシリーズから出ています。
彼のフォーズチューニング(EADGCFの4度間隔)に対応するため、ナット幅と弦間ピッチが微調整されており、通常のギターから移行しても違和感なく弾けるように作られています。
ピックアップ、ネック形状、フレットはすべて「レガート奏法で最大のレスポンスが得られる」設計。
フィンガースタイル系のギタリストにとっては、非常に参考になるスペックを持ったギターです。
デジタルリグ:Fractal Axe-Fx IIIとFM9
スタジオでのメインはAxe-Fx III、ライブではFM9と使い分けています。
トムは自身のプリセットを非常に細かく作り込むことで知られていて、EQ、リバーブ、ディレイ、トランスポーズなど、ほぼすべての処理をFractal内部で完結させている。
Fractalの魅力はルーティングの自由度で、たとえば「歪みはプリ段、空間系はポスト段、さらにパラレルで別ルートのリバーブを走らせる」といった、複雑な音作りが1台で完結する。
コンプレッサーの重要性
レガート奏者にとって、コンプレッサーは単なるエフェクターではなく、奏法そのものを支える必須機材です。
ピックで弾いていないぶん、音量のばらつきがどうしても出やすい。
軽めのコンプで弱い音を持ち上げ、強い音を少し抑えることで、レガートのライン全体が均一な音量で流れるようになる。
トムの美しいレガートの背景には、この地味なコンプ処理が必ず効いています。
トーン再現Tips
トムのトーンに近づけるなら、まずゲインをいつもより2〜3割減らしてください。
そのうえで、コンプレッサーを軽くかけ、アンプはFender Deluxe系のクリーン寄りか、Dumble系の粘りのあるクランチを選ぶ。
リバーブはShort Plate系を控えめに、ディレイは短めのスラップバックを軽く。
ピッキングの代わりにハンマリングで弾いてみると、音が途切れずに繋がっていく感覚が掴めてきます。
Tom Quayleの機材まとめ
トム・クエールの機材選びは、奏法と完全に一致しています。
フォーズチューニングに最適化されたAZシグネチャー、Fractalの緻密なコントロール、コンプを軸にしたダイナミクス設計。
派手さはないですが、現代のフュージョンギターの「音作りの正解」を追求し尽くしたリグと言えます。
レガート奏法を極めたい方、フュージョン系の表現力を磨きたい方には、最高の参考例になるはずです。
