皆さんこんにちはmasa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
今回は前にまとめたナインインチネイルズの「The Fragile」の記事の後編をまとめていきたいと思います。
ナインインチネイルズの傑作2枚組のアルバムですが、ギタリスト目線で見ても相当興味深い作品になっています。
ギタリストはナインインチネイルズでも最も馴染み深いロビンフィンクで、更に彼のギタープレイを掘り下げていってみたいと思います。
それでは見ていってみましょう!
目次
The Fragile後編のサウンド
前回でナインインチネイルズというプロジェクトとトレントレズナーという人物については語ってきたので、今回はいきなり音源から見ていきましょう。
2枚組の後編なので、このアップルミュージックでは
1.The Way Out Is Throughという曲から2枚めが始まります。
なんと言ってもまずハイライトはシングルカットもされた
6.StarFuckers,Inc.
でしょうか。
なんとなくシングルカットされた曲を紹介するのに抵抗があるつまらないプライドがある私なのですが笑
ミュージックビデオも凝った作りになっており、リンプビズキットのフレッド、スマッシングパンプキンズのビリーコーガン、マリリンマンソンの絵柄が書いてある皿を割りまくったり、様々なミュージシャンのCDをトイレに捨てたりやりたい放題です。
自分を模した像も破壊しているのでロックスターと呼ばれる自分への自嘲的な部分もあったのでしょう。
後日和解したりしている部分も含めて、その時の感情が爆発しているトレントレズナーっぽいとも言えるのかもしれません。
ちなみにこのThe Fragileくらいまでのトレントレズナーは酒やドラッグに溺れており、その後の自分が振り返るとこの暗黒面はそのせいだ と語っていたりします。
言い切りすぎでしょ笑 とも思うのですが、ある種パンクロッカーとも言えるトレントといった感じで結構納得できてしまいます。
さて、The Fragileの後半の解説に戻りますが、1枚めよりもより深くスロースターターな曲が多い印象でしょうか。
1曲目が終了し、2の冒頭もちょっと不思議な響きのチャイムから始まりますが、後半に行くに従ってラウドなギターが不穏な響きで近づいてきます。
どの曲も重厚さを彩る形でギターが重ねられており、重要な響きではあるのですが、
従来のヘヴィロックのようにギターですべての音域を埋め尽くすような使い方ではありません。
The Fragileの後半のロビンフィンクの機材
前半で竿について触れてみたので、この動画のペダルやアンプ系統を今回は見てみましょう。
この動画は2018年のもので、そのツアー時の機材を紹介しているようですね。
アンプはモデリングのフラクタルオーディオのAxe-FxⅡをメインで使っているようです。
VOODOO LABのオクタヴィア系のファズであるPROCTAVIA
エレクトロハーモニクスのMICRO POG
Eventide H9
ピッチシフト系のRed Panda Particle
グリッチ系の音飛びを引き起こすディレイのCatalinbread CSIDMAN
などがラックに収まってフットスイッチで制御しているようですね。
一部謎なリバーブユニットもありますね。
また足元のペダル系は
DigiTech Whammy
BOSS ボリュームペダル
JHSの歪みペダルKilt
BOSS TU-3
がセットされています。
KiltとともにEボウを使用することも多いようですね。
ロビンフィンクのサウンド
The Fragileを製作時にはこれらの機材ではなく、さまざまな機材を駆使してサウンドメイクしていたと思いますが、
2018年の機材を見るとAXEⅡを基本としてサウンドシステムを構築しているので、あの摩訶不思議な音色を操っている割に比較的シンプルなシステムですね。
しかし、セレクトが結構キワモノのペダルが多く、ここはさすがだなという感じ。
まさにファズサウンドやメタリックな歪みだけでなく、さまざまなノイズをギターで表現するロビンフィンクの独特のセレクションだと思います。
ナインインチネイルズ The Fragile後編まとめ
そんなこんなで今回はThe Fragileの後半解説と、ロビンフィンクのギター本体以外のシステムに注視して深ぼってきました。
根幹をデジタル制御して、変えが効かないものはコンパクトのペダルで補っていくというある種の理想形のシステムと言えると思います。
ナインインチネイルズではシンセや同期ものとのカラミもあるので、デジタルもののアンプを使ったほうが馴染みが良いというのもありそうですね。