みなさんこんにちは、最近自分のプロジェクト以外にも雑多な現場が多いmasa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。
故に悩みどころなのですが、みなさんはライブなどの現場でギターの音をどのように出していますか?
1番ストレートにアンプから、KemperやFractalなどのプロセッサから卓に直接、またはパワーアンプと併用してステージ上はギターキャビネットで外音はPAからなどなど...
交通事情的に常にマイアンプやキャビネットを持ち歩くことができない方も多いと思いますが、自分の音を安定して出すのにはけっこう頭を悩ませますよね
今回はVeroCity effects pedalsのプリアンプとの組み合わせで、安価かつ手軽に自分の音を組み立てることができるようになったきっかけの機材 NUX SOLID STUDIO IR について書いていこうと思います。
目次
NUX SOLID STUDIO IRとは
NUX SOLID STUDIO IRは昨今どのプロセッサーにも搭載されているIRを使ったスピーカーシミュレーター、パワアンプシミュレーターです。
IRとはインパルスレスポンスというもので、ちょっと乱暴に言ってしまえばパルス音に対して余韻がどのような反応をして出力されるのかと言ったようなものですね
そのIRを使ってリアルなスピーカーの出力と、デジタル制御のパワーアンプのシミュレーターを行ったものです。
NUX SOLID STUDIO IRには8種類のスピーカー、8種類のマイク、3種類のパワー管、3種類のマイクセッティングを組み合わせて使えます。
キャビネットは下記のようなもので、
- ・JZ120:Roland ジャズコーラス120
- ・DR112:Fender Deluxe Reverb 12インチ1発
- ・BS410:Fender Bassman 10インチ4発
- ・A212:VOX AC30 12インチ2発
- ・TR212:Fender Twin Reverb 12インチ2発
- ・1960:Marshall 1960A 12インチ4発
- ・GB412:Celestion Greenback 12インチ4発
- ・V412:Celestion / Vintage30 12インチ4発
マイク
- ・DYN421:Sennheiser / MD421
- ・S57:Shure / SM57
- ・U87:Neumann / U87
- ・R122:Royer / R-122
- ・R121:Royer / R-121
- ・C414:AKG / C41
- ・C3000:AKG / C3000
- ・B52:Shure / Beta52
となっており、さらにパワーアンプの真空管をEL34、6V6、EL84から選べ、マイクの位置もセンター、ミドル、エッジと選ぶことができます。
お値段も大体2万円台でお手頃ながらIRの解像度が2048サンプル、46msとこの値段帯ではトップクラスの解像度です。
NUX SOLID STUDIO IRの威力
欲しかったthru出力
さあ、そんなNUX SOLID STUDIO IRですが、筆者が選んだ理由の大きなものとしてXLR端子からのミキサー直繋ぎはもちろんとして、thru端子がついていることでした。
このthru出力はNUX SOLID STUDIO IRの処理をスルーしてそのままギター(ボード)の素の音を出力してくれます。
XLR端子からミキサー用に出力された信号とは別に、このNUXを通さずにギターアンプのパワーインやリターンに繋げられるということですね。
この出力があることでVeroCityのペダルたちと非常に相性が良く、VeroCityを半挿しのプリモードにしておき、NUX SOLID STUDIO IRを通した信号をミキサー直で外音、thruでNUX SOLID STUDIO IRを通さない信号をリターンに入れてステージ上ではアンプからモニターするという方法をよく使っています。
この方法を取るようになってから屋外のライブなどモニター環境が悪くても、出音は安定するようになりました。
サイズ感
ひと目見るとStrymonのペダルかと思う系の見た目のコンパクトさなのでボードにしれっと入れられることも魅力です。
他のIRキャビネットシミュレーターとの比較
NUX SOLID STUDIO IRと導入に悩むとすればMooer Rader、Torpedo C.A.B.Mなどでしょうか。
Mooer Raderとの比較
Mooer Raderは値段(1万円を切る)とサイズは魅力なのですが、アウトが一つしかなく今のNUX SOLID STUDIO IRと同じ使い方をしようとすると別機材で信号をスプリットしなければならず現状NGでした
Torpedo C.A.B.Mとの比較
こちらは価格帯がちょっと違うのですが、これらの機材の草分け的存在のTorpedoです。
パワーアンプの後につなげたりと多機能ですし、値段的にモデルの数も段違いなのですが、シンプルなthru回路がなく同じ使い方をしようとするとボードから外したりしなければならず手軽感が薄れてしまう感覚なので、こちらもパスでした。
NUX SOLID STUDIO IRの音質
筆者はVeroCity FRDをプリとして使っていますが、スピーカーはツインリバーブタイプ、マイクはリボンのR-121タイプにして、パワー感はEL34にすることが多いです。
スピーカーは1960、パワーは6L6にすることもあります。
実物を想像するとこのアンプなんだとなりますよね笑
しかし2発キャビのちょうどいいロー感とリボンタイプの高域のシルキーさが心地よく、そこに適度にEL34の荒さが足される感じで非常に扱いやすいです。
ヘヴィな楽曲の時は4発入りのキャビにすることもありますが、普段使いだとたまにローが邪魔になる時があります
NUX SOLID STUDIO IRの不満点
不満点というか弱点というかPCのエディタに力を入れていないのか、やっつけ感があります笑
エディタというよりほぼほぼライブラリを記録しておくためのアプリかなっていう感じです。
NUX SOLID STUDIO IRまとめ
いかがでしたでしょうか。
NUX SOLID STUDIO IRは値段の割に相当使える機材だと思います。
KemperやFractal、Helixなんかを使っている方はミキサー直で出力されている方も多くいると思いますが、このNUX SOLID STUDIO IRは気軽にボードに組込めて、システムをガラッと変えずとも自分の音の安定化を図れるのでVeroCityなどのペダル型プリアンプを使っている人にはベストマッチするのではないでしょうか?
IR機器をこんなふうに使ってるよっていうアイディアがあればぜひおしえてくださーい
それではmasa BLIK itoでした!(twitter @masabliks)