Ibanez Alpha Series まとめ|マルチスケールの新たな選択肢

Ibanez Alpha Series まとめ|マルチスケールの新たな選択肢

皆さんこんにちは、masa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks

Ibanezからまた攻めたシリーズが出てきましたね。その名も「Alpha Series」。

名前の通り「始まり」を意味するこのシリーズ、マルチスケール構造を採用した7弦・8弦のラインナップで、モダンメタルやプログレッシブ系のギタリストに向けた本気のモデルです。

これまでのRGDやAxion Labelで培ってきたマルチスケールのノウハウを、さらに一歩進めたところに持ってきた感じがあります。

今回は種類やスペックの詳細、設計の特徴なんかを深掘りしていきますので、気になっている方は参考にしてみてください。

さて掘り下げていってみましょー。

目次

Alpha Seriesの概要

Alpha Seriesは、Ibanezが「最先端のギタリストのために鍛え上げた」と謳うエレキギターシリーズです。

人間工学に基づいたボディシルエットとコンター、独自のネックジョイント構造、そしてFishman Fluence Modernピックアップの搭載と、現代のギタリストが求める要素をこれでもかと詰め込んでいます。

既存のRGシリーズやRGDシリーズとの違いは、マルチスケール前提で設計された完全新規のボディシェイプとネックプロファイルにあるところですね。

ラインナップ一覧

2026年時点でAlpha Seriesには以下の2モデルが展開されています。

A527(7弦マルチスケール)

シリーズのスタンダードとなる7弦モデル。

スケール長は691mm(27.2インチ)から648mm(25.5インチ)のマルチスケール構成。

ドロップAやそれ以下のチューニングでも低音弦のテンション感が保たれるのがマルチスケールの恩恵ですね。

出荷時のチューニングは1E, 2B, 3G, 4D, 5A, 6E, 7Bで、弦はD'Addario EXL120+.059(.009/.011/.016/.024/.032/.042/.059)が張られています。

カラーバリエーションはNight Shadow(NSH)とIron Pewter(IPT)の2色展開。

A528(8弦マルチスケール)

こちらは8弦モデル。スケール長は698mm(27.5インチ)から648mm(25.5インチ)と、7弦モデルよりも低音弦側がさらに長くなっています。

出荷時チューニングは1D, 2A, 3F, 4C, 5G, 6D, 7A, 8Eという全弦1音下げ仕様。

弦はD'Addario EXL120-8(.009/.011/.016/.024/.032/.042/.054/.065)。

Djentやプログレッシブメタルで超低音域を使う場面でも、この長さがあると音の輪郭が潰れにくいです。

カラーはCoral Mirage(CMG)とIron Pewter(IPT)の2色。Coral Mirageはメタリックなピンク系で、なかなか攻めたカラーリングですね。

モデル別スペック比較表

スペック項目A527(7弦)A528(8弦)
ネックParallel Wizard AS 5pc Maple/WalnutParallel Wizard AS-8 5pc Maple/Walnut
ボディAmerican BasswoodAmerican Basswood
指板Ebony(MOP Step off-set dot)Macassar Ebony(MOP Step off-set dot)
フレット24F Jumbo Stainless Steel24F Jumbo Stainless Steel
スケール長691mm/27.2" - 648mm/25.5"698mm/27.5" - 648mm/25.5"
ブリッジMono-rail G2 bridgeMono-rail G2 bridge
弦間ピッチ10.8mm10.8mm
ネックPUFishman Fluence Modern Alnico 8 (H)Fishman Fluence Modern Alnico 9 (H)
ブリッジPUFishman Fluence Modern Ceramic 8 (H)Fishman Fluence Modern Ceramic 9 (H)
コントロール1Vol / 1Tone / 3way PUセレクター / Voicingスイッチ1Vol / 1Tone / 3way PUセレクター / Voicingスイッチ
ペグGotoh MG-T lockingGotoh MG-T locking
指板R508mmR508mmR
ナット幅48mm(24F幅: 66mm)
出荷時チューニング1E,2B,3G,4D,5A,6E,7B1D,2A,3F,4C,5G,6D,7A,8E
D'Addario EXL120+.059D'Addario EXL120-8
ハードウェアカラーBlackBlack
カラーNight Shadow / Iron PewterCoral Mirage / Iron Pewter
付属品ギグバッグギグバッグ

木材とボディ構造の深掘り

アメリカン・バスウッド ボディ

Alpha Seriesのボディ材にはアメリカン・バスウッドが採用されています。

バスウッドは軽量でバランスの取れた周波数特性を持つ木材で、Ibanezでは長年にわたってRGシリーズなどに使われてきた実績があります。

マルチスケールの7弦・8弦というスペックだと重量が気になるところですが、バスウッドの軽さのおかげでロングスケールでも取り回しが良くなっているはずです。

ピックアップやエレクトロニクスの特性を素直に反映してくれる木材でもあるので、Fishman Fluenceとの相性も期待できますね。

5ピース Maple/Walnut ネック

ネック材は5ピース構成のメイプル/ウォルナット。

硬質なメイプルとウォルナットの積層構造によって、マルチスケール特有のねじれ方向の負荷にも十分な剛性を確保しています。

エボニー/マカッサル・エボニー指板

指板材は7弦モデルがエボニー、8弦モデルがマカッサル・エボニー。

どちらも硬質で滑らかな指触りが特徴で、ステンレスフレットとの組み合わせでハイポジションまでスムーズに駆け上がれる設計です。

マザー・オブ・パールのStep off-setドットインレイもポジションの視認性を確保しつつ、デザインとしても独特ですね。

Parallel Wizard ASネック

Alpha Series最大の特徴のひとつが、この新設計の「Parallel Wizard AS」ネックプロファイル。

従来のWizardプロファイルをベースにしつつ、マルチスケール特有の運指に最適化した左右非対称(Asymmetrical)形状になっています。

低音弦側にやや丸みを持たせることで、ローフレットでのコードワークからハイフレットでのリードまで自然なフィーリングを実現。

厚みは21mmと均一に保たれており、ハイポジションまで一定のグリップ感で弾けます。スウィープやストリングスキッピングのような大きなポジション移動を多用するプレイヤーには嬉しい設計ですね。

3ボルト式ネックジョイント

従来のプレートを使った4ボルトジョイントとは異なる、革新的な3スクリュー構造のネックジョイントを採用しています。

楕円形のステンレスプレートで固定する2本のスクリューと、ボディからネックに直接打ち込む1本のスクリューの計3本で構成。

接合強度を保ちながらも、ハイフレットへのアクセスが大幅に改善されています。

ヒールカットも深めに入っているので、22フレット以降のプレイアビリティはボルトオンとは思えないくらいスムーズですね。

Fishman Fluence Modern搭載

ピックアップはフロントにFishman Fluence Modern Humbucker Alnico、リアにCeramic仕様を搭載。7弦用は8コイル、8弦用は9コイル構成。

Fishman Fluenceの最大の特徴は、従来のワイヤーワウンドではなくPCB上にプリントされたコイルを使用している点。

これによりノイズが極めて少なく、コイルの巻き数を物理的な限界を超えて設計できるため、従来のパッシブピックアップでは不可能だった帯域特性が実現されています。

ボリュームポットのPush/Pullスイッチでヴォイシングの切り替えが可能で、以下の2モードを使い分けられます。

  • Voice 1: アクティブらしいコンプレッション感のある引き締まったサウンド。リフの刻みやリードに向いています
  • Voice 2: パッシブ的なオープンでダイナミックなレンジ感のあるサウンド。クリーンやクランチで表情をつけたいときに

この切り替えがあるだけで、一本のギターで出せるサウンドの幅がかなり広がります。

ハードウェアの注目ポイント

Mono-rail G2ブリッジ

各弦が独立したサドルを持つモノレール構造。

弦間の振動干渉を排除することで、チューニングの安定性とサスティンの向上に貢献しています。弦間ピッチは10.8mm。

マルチスケールにおいて弦ごとのテンション差が出やすい構造なので、個別のサドルで微調整できるのは実用面で大きいですね。

Gotoh MG-Tロッキングペグ

ペグはGotoh製のMG-Tロッキングマシンヘッドを採用。

弦交換の手軽さとチューニングの安定性を両立しています。ダウンチューニングを多用するプレイスタイルでは、ペグの精度は地味に効いてくるところですね。

ジャンボ・ステンレスフレット

24フレット仕様でジャンボサイズのステンレスフレットを打ち込み。

通常のニッケルフレットと比べて耐久性が段違いで、長期間にわたって滑らかなベンディングやスライドが維持できます。

指板のエボニーとの組み合わせで、軽いタッチでも音が出る扱いやすさがあるはずです。

蓄光サイドドット

地味ながら便利なのが蓄光素材のサイドドット。

暗いステージ上でもポジションが視認できるので、実戦を想定した設計だということがよく伝わってきます。

エルゴノミクス設計

Alpha Seriesのボディは、3Dスキャンによる人間工学分析をもとに設計されたエルゴノミクスデザイン。

エルボーコンターとバックコンターがかなり深く入っており、座って弾くときも立って弾くときも身体にフィットします。

マルチスケールの7弦・8弦というスペックは一般的に取り回しが難しくなりがちですが、このコンター設計のおかげで長時間のプレイでも疲労が軽減されそうです。

競合モデルとの比較

Alpha Seriesが属するマルチスケール多弦ギターの市場には、StrandbergのBodenシリーズやKieselのカスタムオーダーモデルなどが存在します。

比較項目Ibanez AlphaStrandberg BodenKiesel
価格帯ミッドレンジ(推定$1,000〜$1,800)ハイエンド($1,800〜$3,000+)セミカスタム($1,700〜$3,000+)
カスタマイズ性固定スペック固定モデルフルカスタム可
ネック形状Parallel Wizard AS(非対称)EndurNeck(台形)選択可
入手性楽器店で試奏可能一部正規取扱店のみ直販のみ

Ibanezの強みは、ハイエンド級のスペックをより手の届きやすい価格帯で提供しているところ。また楽器店で実際に手に取って試奏できるというのは、特にマルチスケール初体験のプレイヤーにとって大きなアドバンテージですね。

まとめ:マルチスケールの新定番へ

Ibanez Alpha Seriesは、RGシリーズやRGDシリーズの延長線上にある「マルチスケールの新定番」を目指したモデルです。

Parallel Wizard ASネック、3ボルト式ジョイント、Fishman Fluence Modern、エルゴノミクスボディと、どれも実戦で使えるスペックが揃っています。この価格帯でここまで詰め込んできたのは率直にすごいなと。

ダウンチューニングを多用するモダンプレイヤーにとって、検討の価値は十二分にあると思います。気になった方はぜひ店頭で握ってみてください。

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