皆さんこんにちは、masa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
"Playing God"でかなり時代を先どった感がありますね。
Polyphia(ポリフィア)のギタリストTim Henson(ティム・ヘンソン)は、ヒップホップやポップのフレーバーをギターに持ち込んで、「ギター=ロック」という固定観念をぶっ壊した人物ですね。
そしてかなりのハンサムガイ。
YouTube再生回数2億回超えのあの曲で鳴っていたサウンドは、いったいどんな機材から生まれているのか。
2026年最新情報を交えて、彼の使用機材を徹底的に掘り下げていきたいと思います。
目次
Tim Henson 使用機材一覧
まずはTim Hensonの使用機材をざっと一覧で見てみましょう。
ギター
- Ibanez TOD10(メインギター / Classic Silver, Metallic Mauve)
- Ibanez TOD70(7弦モデル)
- Ibanez TOD10N(ナイロン弦 / "Playing God"で使用)
- Ibanez THBB10(初代シグネチャー / 廃盤)
- Ibanez TOD100N / TOD100FMN(NAMM 2026発表 / 2026年夏発売予定)
ピックアップ
- Fishman Fluence Tim Henson Signature(3ボイス / TOD10, TOD70搭載)
- DiMarzio Notorious(HSS / THBB10搭載 / 旧モデル)
アンプ
- Victory VX100 Super Kraken(100W / 現在のライブメイン)
- Fractal Axe-Fx II + Orange パワーアンプ(過去のライブリグ)
- デジタル / モデリング
- Neural DSP Archetype: Tim Henson X(プラグイン / 2025年Xバージョン)
- Neural DSP Quad Cortex(ハードウェア対応)
エフェクター
- EVH Wah
- Chase Bliss Audio Blooper
- MXR M193 GT-OD
- Way Huge Supa-Puss
- Boss PQ-4 Parametric EQ
弦・ピック
- Ernie Ball Tim Henson Signature Strings(エレキ)
- Ernie Ball Tim Henson Signature Classical .024-.042(ナイロン)
- Ibanez P1000THC1 Tim Henson Signature Picks
Tim Hensonのサウンド哲学:エレキ1本でナイロンもカバーする発想
Tim Hensonのサウンドの凄いところは、1本のギターであらゆるジャンルをこなしてしまうところだと思います。
ヒップホップ、ポップ、プログレッシブ、そしてクラシカルなナイロン弦サウンドまで。
その秘密は後述するFishman Fluenceピックアップの3ボイスシステムと、ペダルに頼らないアンプ直結スタイルにあります。
ペダルをほぼ使わないというのは、自分のようにボードにぎゅうぎゅうに機材を詰め込んでいるタイプからすると「マジか…」ってなりますね(笑)
メインギター:Ibanez TOD10(Tree of Death)
現在のTim HensonのメインギターはIbanez TOD10です。
「Tree of Death(死の木)」と名付けられたこのギターは、IbanezのAZシリーズをベースにした彼の3作目のシグネチャーモデル。
指板に施された"Tree of Death"インレイがまず目を引きますね。
Ibanezの伝統的な"Tree of Life"デザインをダークにアレンジした美しいデザインで、見た目のインパクトがすごい。
スペック
ボディ: American Basswood(ナチュラルでフラットなトーン)
- ネック: AZ Oval "C" ローステッドメイプル(熱処理で反りと温度変化に強い)
- 指板: エボニー / 24フレット(ジャンボ・ステンレススチール)/ 蓄光サイドドット
- ピックアップ: Fishman Fluence Tim Henson Signature(HH配列・後述)
- ブリッジ: Gotoh T1502 シンクロナイズドトレモロ
- チューナー: Gotoh MG-T ロッキングマシンヘッド
- ナット: Graph Tech TUSQ
- カラー: Classic Silver / Metallic Mauve(2024年追加)
ローステッドメイプルネック+エボニー指板の組み合わせは、速弾きからクリーンアルペジオまでストレスなく対応できるセッティングですね。
ステンレスフレットなのでメンテナンス的にも楽というのもポイント。
Ibanez TOD70:7弦バージョン
TOD10の7弦モデルとして同時期にリリースされたTOD70。
Polyphiaの楽曲では拡張レンジを使う場面も多いので、基本設計はTOD10の遺伝子をそのまま受け継ぎつつ、7弦専用のFishman Fluence Tim Henson Signature 7用ピックアップを搭載しています。
ブリッジはGotoh T1572Sトレモロ、スケールは25.5インチ(648mm)。
7弦のトレモロ付きシグネチャーってなかなかないので、拡張レンジでも自由にアーミングしたい方には貴重な選択肢かなと思います。
Ibanez TOD10N:あのナイロンサウンドの正体
さて、ここが個人的にもっとも面白いと思うポイントです。
"Playing God"のMVで弾いていたあのギター、それがIbanez TOD10Nです。
クラシックギターの太いネックが苦手な方って結構いると思うんですが、このTOD10Nはナット幅46mm、指板R400mmというエレキギターに近い弾き心地でナイロン弦のサウンドが楽しめるんですね。
スペック
- トップ: ソリッド・シトカスプルース
- バック&サイド: サペリ
- ネック: ニャトー / Cシェイプ
- 指板: ウォルナット / "Tree of Death"インレイ
- ピックアップ: Fishman S-Core + Ibanez AEQ210TFプリアンプ(2バンドEQ / フェイズスイッチ / チューナー内蔵)
- ボディ厚: わずか50mm(超薄型)
面白いのが、トップにサウンドホールがないんですよね。
代わりにアッパーホーンにディスクリートサウンドポートが設けられていて、ライブでのハウリングに非常に強い設計になっています。
バンド演奏中にナイロン弦をアンプリファイすると大抵フィードバックとの戦いになるのですが、この構造ならかなり安定しますね。
エレキメインの人がサブで1本持っておくにはかなり良い選択肢だと思います。
TOD100N / TOD100FMN(2026年夏発売予定)
NAMM 2026で発表:次世代ナイロンモデル(TOD100N / TOD100FMN)
2026年のNAMMショーでは、Tim Hensonの新型ナイロン弦モデルが2機種お披露目されました。
新色(Pearl Pink含む)
Fishman Acoustic Imagingテクノロジー搭載(よりリアルなマイク収音風サウンド)
ボディピックアップ追加(パーカッシブ奏法にも対応)
TOD10Nの進化版として、さらにリアルなナイロントーンを追求したモデルとのこと。正式な発売が待ち遠しいですね。
廃盤モデル:Ibanez THBB10(初代シグネチャー)
Tim Hensonの最初のシグネチャーモデルとして2019年に登場したTHBB10。
Gibson Les Paul Custom "Black Beauty"にインスパイアされた黒ボディ+ゴールドハードウェアのスタイルが特徴的でした。
こちらはDiMarzio Notorious(HSS配列)というピックアップが載っていて、現行のFishman Fluenceとは全くキャラクターが違います。2022年に廃盤となり、中古市場ではプレミア価格になっていますね。
DiMarzioからFishmanへのピックアップ変更は、Tim Hensonサウンドの大きな転換点だったと思います。現在のTim Hensonサウンドを目指すなら、Fishman Fluence搭載のTOD10シリーズが正解でしょう。
Fishman Fluence Tim Henson Signatureピックアップ
さて、ここからが本丸です。
Tim Hensonのトーンの核心、それがこのFishman Fluence Tim Henson Signatureピックアップ。
衝撃の3ボイスシステム
各ハムバッカーに3つのボイスが搭載されていて、プッシュプルのトーンポット+5wayセレクターで切替可能。これがほんとにすごい。
ネックピックアップ:
- Voice 1: 太くスムーズなハムバッカー
- Voice 2: ナイロン弦風アコースティック!(クリーンアンプと合わせると疑似ナイロンになる)
- Voice 3: 流れるようなシングルコイルトーン(4.2kHzピーク)
ブリッジピックアップ:
- Voice 1: ホットロッドなクラシックハムバッカー(1.65Hzミッドピーク)
- Voice 2: Tim Henson好みにブレンドしたエンハンスドHB
- Voice 3: タイトなシングルコイル(6kHzピーク)
特にネックのVoice 2は衝撃的で、クリーンアンプと組み合わせるとエレキギターからナイロン弦風のサウンドが出るんです。
「ステージ上でギターを持ち替えずにナイロンサウンドを出したい」という人にとっては夢みたいなピックアップです。
Alnico Vマグネット、アクティブ方式でソルダーレス取付対応。
リチウムイオンバッテリーにも対応しています。
正直エレキのピックアップでナイロン風のサウンドってどうなの?と思う方もいると思いますが、本家のデモを聴いてみると確かにそれっぽいんですよね。
完璧なナイロンかと言われると違いますが、ライブでギターを持ち替えるストレスを考えたら十分実用的なレベルだと思います。
アンプ:Victory VX100 Super Kraken
ライブでのTim HensonのアンプはVictory VX100 Super Kraken(100Wヘッド)。マッチングのVictory 2x12キャビネットと組み合わせて使用しています。
このアンプの特徴は、マーシャル風のウォームなクランチからハイゲインまでカバーできるところ。さらにブースト機能が内蔵されていて、これがTube Screamer的な役割を1台でこなしてくれます。
注目すべきはギターからアンプに直結するシンプルなセッティング。
複雑なペダルボードを組まず、アンプのクリーンとゲインチャンネル+内蔵ブーストで音色をコントロールしている。
自分のようにVeroCityのプリアンプやらディレイやらをボードにぎゅうぎゅうに詰め込んでいるタイプからすると、ちょっと信じられないようなミニマルさですが、Fishmanピックアップの3ボイスがあるからこそ成立するスタイルなんでしょうね。
デジタル機材:Neural DSP Archetype: Tim Henson X
レコーディングや自宅での音作りでは、Neural DSP Archetype: Tim Henson Xプラグインが活躍しています。2025年に「X」バージョンへアップデートされました。
搭載アンプモデル
- Roses: アコースティック楽器用
- Cherubs: ブリティッシュ系クリーン
- Pink: リード用ハイゲイン
搭載エフェクト
ブースト(常時ON推奨)、コンプレッサー、オーバードライブ(TS系)、コーラス、ディレイ、リバーブ、マルチボイサーなどが入っています。
X版で追加されたトランスポーズ機能とダブラーが地味に便利そうで、特にダブラーは厚みのあるサウンドを後から足せるので宅録派には嬉しいですね。
Neural DSP Quad Cortexにも対応しているので、ハードウェアでライブ使用することも可能です。自宅でプラグインで音を作り込んで、そのままQuad Cortexに持ち出すという流れが作れるのは現代的でいいですね。
過去のライブリグ:Fractal Axe-Fx II
Polyphia初期〜中期のライブではFractal Axe-Fx IIをOrangeのパワーアンプに接続して使用していました。
現在はVictory Super Krakenに移行していますが、Polyphiaの代表曲の多くはこのFractalベースのリグで録音されています。
デジタルからアナログアンプに回帰したパターンですね。
ペダルボード:ミニマリストの極致
Tim Hensonはペダルをほとんど使わないことで知られています。
過去に使用が確認されたペダルとしては、EVH Wah、Chase Bliss Audio Blooper(ルーパー/グリッチ系)、MXR M193 GT-OD、Way Huge Supa-Puss(アナログディレイ)、Boss PQ-4 Parametric EQなどがありますが、いずれも使用は散発的。
基本はVictory Super Krakenの内蔵ブーストとFishmanピックアップのボイス切替だけで音色変化をカバーしているようです。
ペダルをたくさん並べなくてもプロのサウンドは作れるという、ある意味での究極形ですね。もちろんFishmanの3ボイスシステムがなければ成立しないスタイルではあるんですが。
弦・ピック
- エレキ弦: Ernie Ball Tim Henson Signature Strings
- ナイロン弦: Ernie Ball Tim Henson Signature Classical(.024-.042) / D'Addario XTC45(TOD10N純正)
- ピック: Ibanez P1000THC1 Tim Henson Signature Picks
弦もピックもシグネチャーモデルが出ているあたり、やはり影響力の大きさが伺えますね。
まとめ
Tim Hensonの機材哲学は、「テクノロジーを活用して、1本のギターで何でもやる」ということに尽きると思います。
Fishman Fluence 3ボイスシステムでナイロン風サウンドまでカバー
Victory Super Krakenへのアンプ直結スタイル
Neural DSPプラグインで自宅でも完全再現可能
従来の「ギタリスト=たくさんの機材」というイメージを覆す、ミニマルかつ先進的なセットアップです。
筆者のようにペダルボードに機材をぎゅうぎゅうに詰め込むタイプの人間からすると「マジでこれだけで?」と思ってしまいますが(笑)、逆に言えばそれだけFishmanピックアップとアンプの完成度が高いということなんでしょうね。
Polyphiaが好きな方はもちろん、これからギターを始めたい方にとっても参考になる機材構成だと思います。
