皆さんこんにちは、masa BLIK ito(まさぶりっくいとう)です。(@masabliks)
Machine Gun Kelly(MGK)のステージで、ブルースの血が通ったリードプレイを叩き込む男、Justin “GuitarSlayer” Lyons。
ポップパンクの文脈にコッテリしたブルースフィーリングを入れてくる人って、なかなかいないんですよね。しかもミュージカル・ディレクターも兼任しているから、バンド全体のサウンドデザインまで手がけている。
今回はアリーナクラスのツアーを回り続ける彼の機材を、できるだけ詳しく見ていきます。
目次
Justin Lyons 使用機材一覧
ギター
- PRS Mark Tremonti Signature
- Reverend Sensei / Roundhouse
- Epiphone B.B. King Lucille(カスタムアートワーク)
デジタルシステム
- Fender Tone Master Pro(サウンドの核)
ペダル
- TS系ブーストペダル(Tone Master Proの前段)
パッチ・プリセット
- Mark Lettieriパッチパックを応用
ジャスティンのサウンド哲学:アリーナの中に「自分の帯域」を持つ
彼のサウンドアプローチで面白いのが、「周波数の住み分け」という考え方を明確に持っているところ。
MGKのバンドは複数のギタリスト、ベース、鍵盤、ドラムが同時に鳴るアリーナスケールのサウンド。その中で全員がミッドを主張したら、音がゴチャゴチャになって何も聴こえなくなる。
ジャスティンのアプローチは「自分はハイミッド帯域を担当する」という明確な役割分担。チャンキーなリズムは他のメンバーに任せて、自分はリードとメロディックなフレーズで抜けてくるポジションをとる。
この発想はプロデューサー的な視点を持ったギタリストならではで、「自分のギターの音がどう聴こえるか」ではなく「バンド全体の中で自分の音がどう機能するか」で音作りを考えている。
メインギター:ルーツの異なる3本
さて掘り下げていってみましょー。
PRS Mark Tremonti Signature
MGKのセットリストの中で、エッジの効いたリフやハイゲインのリードが必要な場面で登場するのがこのPRS。
マホガニーボディにTremontiシグネチャーのピックアップを搭載していて、中低域にどっしりした芯がある音。ストラト系のキラっとした音が欲しい場面ではなく、「ガツンとくるロックの音」が必要な場面用ですね。
Tremontiモデルはネックの握りも程よい太さがあって、パワーコードをガシガシ弾くときのグリップ感が良いんですよ。
Reverend Sensei / Roundhouse
国内だとまだ知名度が高くないReverend(レヴェランド)のギターを積極的に使っているのが興味深い。
SenseiはセミホロウかつP-90系のピックアップで、B.B. Kingのようなクリーンの甘さから、ちょっとクランチにした時の粘りまでカバーする。Roundhouseはよりモダンなスペックで汎用性が高い。
シグネチャーモデルの噂もあるようで、今後注目のブランドですね。日本国内での入手はちょっと難しいかもしれませんが、ブルースロック好きにはぜひチェックしてほしいメーカーです。
Epiphone B.B. King Lucille(カスタムアートワーク)
B.B. Kingへのリスペクトを形にした一本。
自分でアートワークを施したカスタム仕様で、世界に一つしかない。Lucille特有のfホールのないセミホロウ構造は、フィードバックコントロールに優れていて、大音量のアリーナでもハウリングしにくい。
B.B.のような太いビブラートを出すには、このギターの構造的な特性がかなり助けになっている。
デジタルシステム:Fender Tone Master Pro
アリーナツアーにおいて彼の音の中核を担っているのが、FenderのフラッグシップモデラーであるTone Master Pro。
アンプレス+インイヤーモニターのセットアップで、どの会場でも一定のサウンドが出せるのが最大のメリット。
彼はMesa/Boogieのアンプモデルを中心に使っていて、クリーンからハイゲインまでTone Master Pro一台で完結させている。
面白いのがMark Lettieriのパッチパックを参照しているという点。Lettieriはファンクギタリストとして知られていますが、クリーンのダイナミクスとミッドの扱いについてはジャンルを超えた普遍性がある。ブルースロックにも通用するクリーンの質感を、ファンクギタリストのパッチから学んでいるのは賢いですよね。
前段にTS系のブーストを置いて、Tube Screamer的なミッドの盛り上がりをさらにTone Master Proに突っ込むという定番の手法も踏襲しています。
Justin Lyonsの機材まとめ
ジャスティンの機材で一番印象に残るのは、「プロデューサー的な視座で音作りをしている」というところ。
自分のギターの音が良ければOK、ではなくて、バンド全体のサウンドの中で「どの帯域を自分が占めるべきか」から逆算して機材を選んでいる。/pochip
B.B. Kingのソウルフルなブルースを、2026年のアリーナロックの文脈でどう生かすか。その答えが、PRS+Reverend+Lucille+Tone Master Proという一見バラバラな構成に集約されている。
GuitarSlayerという異名は伊達じゃないですね。
